この記事で試すこと

  1. 01今週AIに頼みたい作業を書き出し、4つの問いの答えを横に書く
  2. 02職場の決まりと材料の置き場所で、使うサービスを1つか2つに絞る
  3. 032つで迷った作業は、同じ依頼文と同じ材料で3回ずつ比べて記録する
自分の条件を書き出す

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「どれが一番か」で比べ始めると、いつまでも決まらない

ChatGPT、Gemini、Claude、Copilotの名前は知っていても、仕事の途中でどれを開けばいいのかが分からず、毎回なんとなく同じものを使っている人は多いはずです。比較記事を読むと「文章ならこれ」「画像ならこれ」と書いてありますが、自分の作業に当てはめようとすると話が合いません。

合わない理由の一つは、評判の得意分野が更新のたびに変わることにあります。もう一つは、選ぶ前に決まっている条件のほうが、性能の差より先に答えを決めてしまうことです。会社が使ってよいサービスを指定していれば、ほかの選択肢は業務では使えません。メールや資料がGoogleのサービスにあるのか、Microsoftのサービスにあるのかでも、手間の少ない道筋が変わります。

この記事は、複数のAIツールのどれを使えばいいか迷っている初心者に向けて書きました。読み終えたときには、自分の作業ごとに使うサービスを1つか2つに絞り、2つで迷った作業は自分の材料で比べて決められる状態を目指します。

記事に出てくる会社員の作業メモ、ブログの下書き、比べた記録は、すべてつくりてラボが作った架空の例です。実在の人や会社とは関係ありません。各サービスで実際に実行した結果も載せていません。

選ぶ前に答える4つの問い

サービスの性能を比べる前に、下の4つに上から順に答えてください。途中で候補が絞れたら、残りの問いは確認に使うだけで足ります。

会社や学校のアカウントで使えるAIが決まっている人は、1つ目の問いで業務の候補がほぼ決まるはずです。業務の材料は、そのAIで扱うのが前提だからです。決まりがない場合や私用の作業では、2つ目から4つ目の問いが絞り込みの材料になります。

選ぶ前に答える4つの問い
問い答えの例答えで変わること
1. 職場や学校で、使ってよいサービスとアカウントが決まっているか会社アカウントのCopilot Chatだけ使ってよい/決まりはない決まっていれば、業務の材料はそのサービスで扱う。私用のアカウントに業務の材料を入れない
2. 材料はどこにあるかGmailやドライブ/OutlookやWord/手元のメモを貼るだけ材料のある場所につながるサービスを選ぶと、コピーして貼る手間が減る
3. 最新の情報や、出典のリンクが要るか来月の行事の日程を調べる/手元の文章を整えるだけ要るなら、ウェブ検索の結果と引用元を表示できる使い方を選び、引用元を自分で開く
4. 出来上がりは文章や表か、写真やイラストかメールの下書き/ブログのアイキャッチ画像写真やイラストが要るなら、画像を作れるサービスに限られる

公式ヘルプで確かめた4サービスの違い

4つの問いに関わる違いを、各社の公式ヘルプで確かめて表にしました。文章の上手さや速さのような、更新で入れ替わりやすい評判は入れていません。どのサービスも機能の名前や対象のプランが変わることがあるため、使う前に下のリンク先で現在の説明を確かめてください。

まずウェブ検索から。OpenAIのヘルプは、ChatGPTのウェブ検索を無料版を含む各プランで使えるとする一方、検索結果や引用は不完全、古い、または誤っている場合があるとも書いています。引用元を開いて回答を裏付けているか、公開日や更新日はいつかを確かめるよう求める内容です。Claudeのヘルプによれば、ウェブ検索を使った応答には引用が含まれます。TeamやEnterpriseのプランでは、先に管理者がワークスペース全体で検索を有効にしておく必要があります。

Geminiについては、回答の一部がGoogle検索の検索結果に基づいて提供されていると、Googleのプライバシーハブに書かれています。Microsoft Learnの説明では、Copilot Chatは対象となるMicrosoft 365のユーザーが使えるAIチャットで、主にウェブのデータに基づいて回答する仕組みです。対象となる職場や学校のアカウントには、エンタープライズ データ保護が含まれるとされています。

次に材料の置き場所です。Gemini アプリは、Gmail、Google ドライブ、Google ドキュメント、カレンダーなどの内容から情報を探せるアプリです。仕事用のアカウントでは、管理者の設定しだいで使えないことがあり、Gemini 会話履歴の有効化も条件だとGoogleは説明しています。Microsoft側では、Word の Copilot がプロンプトやメモ、参照ファイルから下書きを始める機能にあたります。使うには対象となるMicrosoft 365のサブスクリプションかCopilotのライセンスが必要で、画面に出てこなければ組織の設定で有効になっていない可能性があります。

最後に写真やイラストです。ChatGPTとGeminiのヘルプには、画像の作成と編集の手順が載っています。Claudeのヘルプの説明は、画像生成ツールのような方法で写真やイラストは生成しないが、図表やグラフは会話の中で作れる、というものです。Copilotで画像を作れるかは、この記事では公式ヘルプの記述を確認できなかったため、表に「未確認」と書きました。

公式ヘルプで確かめた4サービスの違い
サービス最新の情報と出典材料の置き場所との関係写真・イラストの生成
ChatGPTウェブ検索は無料版を含む各プランで使える。回答に引用が付く場合がある会話に文章を貼って渡す全プランで使える(ヘルプに記載)
Gemini回答の一部はGoogle検索の結果に基づくGmail、ドライブ、ドキュメント、カレンダーなどの内容から探せる。仕事用は管理者の設定しだい生成と編集ができる(ヘルプに記載)
Claudeウェブ検索を使った応答には引用が含まれる。Team・Enterpriseは管理者が有効にする会話に文章を貼って渡す写真やイラストは生成しない。図表やグラフは会話の中で作れる
Copilot Chat(Microsoft 365)ウェブのデータに基づいて回答するOutlookのメールや予定について質問できる。Word の Copilot はライセンスが必要この記事では未確認

参考リンク

練習用の材料:架空の会社員の作業メモ6件

下は、家具の販売会社で営業事務をしている架空の会社員が、今週AIに頼みたい作業を書き出したメモです。会社の決まりと、材料の置き場所も書いてあります。答え合わせを見る前に、6件それぞれにどのサービスを使うかを決めてみてください。

迷ったら、前の節の4つの問いに上から答えていきます。業務か私用かを最初に分けると、1つ目の問いだけで決まる作業がいくつかあるはずです。

練習例
【つくりてラボが作った架空の例:営業事務の作業メモ】
(会社名・人物は架空です)

会社の決まり:
・業務では、会社アカウントでサインインしたCopilot Chatだけを使う
・個人契約のAIに、社内の資料・取引先の名前・顧客の情報を入れない
・会社のメールはOutlook、資料はWordとExcel

私用:
・個人のGoogleアカウントで、Geminiの無料版を使ったことがある
・副業で、インテリアの小さなブログを書いている(取引先や顧客の話は書かない)

今週AIに頼みたい作業:
A. 取引先との長いメールのやり取りを読み、未回答の質問を拾い出す
B. 社内の受注手順書(Word)を、新人向けの短い版に書き直す
C. 来月出展する家具の展示会の、最新の会期と会場を調べる
D. 週末の家族旅行の持ち物リストを作る
E. 副業ブログに載せるアイキャッチ画像を作る
F. 副業ブログの記事の下書きを読みやすく直す

答え合わせ:6件の仕分けと決め手になった問い

下の表は、当サイトが4つの問いに沿って仕分けた答えです。業務のA〜Cは、1つ目の問いの段階で会社アカウントのCopilot Chatに決まりました。2つ目から4つ目の問いは、そのサービスのどの使い方を選ぶかを決めるために使っています。

私用のD〜Fは、決まりがないぶん選択肢が広がります。Dのように、どのサービスでもできる作業は、普段使っているものを使えば十分です。比べる意味が出てくるのは、出来上がりの質が自分の手間を左右するFのような作業です。Eは4つ目の問いで候補が絞れ、画像を作れるサービスから選ぶことになります。

BでWord の Copilot が画面に出てこない場合、会社のライセンスに含まれていない可能性があります。その場合は情報システムの担当者に確かめてください。Copilot Chatに手順書を渡してよいかも、同じ担当者に聞くのが確実です。

答え合わせ:6件の仕分けと決め手になった問い
作業決め手になった問い使うサービスと使い方自分で確かめること
A. メールの未回答の質問を拾う1(会社の決まり)、2(材料はOutlook)会社アカウントのCopilot Chat。Outlookのメールについて質問する拾った質問を元のメールと1件ずつ照らす
B. 手順書を新人向けに書き直す1、2(材料はWord)Word の Copilot。表示されなければ担当者に確認手順の抜けや順番の入れ替わりがないか
C. 展示会の会期と会場を調べる1、3(最新の情報と出典が要る)会社アカウントのCopilot Chat。ウェブの情報に基づく回答を求める主催者の公式ページを開き、日付と会場を確かめる
D. 旅行の持ち物リスト私用で、どの問いでも差が出ない普段使っているサービスでよいなし(気になる項目だけ自分で足す)
E. ブログのアイキャッチ画像4(写真やイラストが要る)ChatGPTかGeminiの画像の作成使ってよい画像か、各サービスの規約と既存作品との類似
F. ブログの下書きを直す私用で、出来上がりが手間を左右する候補を2つに絞り、次の節の方法で比べる事実が変わっていないか、言い回しが自分の文体か

2つで迷ったら、同じ依頼・同じ材料で3回ずつ比べる

作業Fのように候補が2つ残ったら、評判ではなく自分の材料で比べます。比べ方の手順は3つです。同じ依頼文と同じ材料を両方に渡し、それぞれ3回ずつ出力させ、下の4項目を記録します。1回だけでは、たまたま良い答えや悪い答えが出た回で判断してしまいます。

記録する4項目は、指示を守ったか(文字数、形式、変えてはいけない部分)、事実や数字を変えていないか、自分で直した箇所の数、直すのにかかった時間です。最後の2つが、そのサービスを使ったときの自分の手間になります。出力の長さや見た目の整い方は、手間とは関係が薄いので記録しません。

下は、作業Fの練習用に当サイトが作った架空の下書きと依頼文です。下書きには、棚の幅、置いた部屋、置いた時期という、直す前と後で変わってはいけない事実が3つあります。比べるときは、この3つが出力でも同じかどうかを毎回確かめてください。

具体例
【つくりてラボが作った架空の例:ブログの下書きと依頼文】

下書き:
先月リビングに幅80センチの棚を置いたんですけど、思ったより圧迫感がなくて、それは高さを腰くらいに抑えたからだと思うんですが、上に観葉植物を置いたらそれもいい感じで、ただ下の段に本を詰めすぎると重たく見えるので半分くらいにしてます。

依頼文:
次のブログの下書きを、読みやすく直してください。
・2〜3文に分けてください。全体で120字以内にしてください。
・「幅80センチ」「リビング」「先月」は変えないでください。
・書いていない感想や情報を足さないでください。
・語尾は「です・ます」にそろえてください。
・直した箇所を、最後に箇条書きで示してください。

うまくいかない比べ方と、その直し方

比べたのに結論が出ない、あるいは選んだあとで違和感が残る場合は、比べ方のほうを見直します。下の表は、当サイトが想定した比べ方の失敗例と直し方です。いずれも架空の例で、実際の利用者の体験ではありません。

見落としやすいのは、片方を無料版、もう片方を有料版で比べてしまう失敗です。使えるモデルや回数はプランで変わるので、出てきた差がサービスの違いなのかプランの違いなのか、区別がつきません。有料プランに入るかどうかを決めたいなら、同じサービスの無料版で同じ作業を記録し、どこで足りなくなったかを見てください。

うまくいかない比べ方と、その直し方
失敗例起きること直し方
片方にだけ材料を追加で渡した材料の量の差を、サービスの差と取り違える依頼文と材料をファイルに保存し、両方に同じものを貼る
1回ずつしか出力させなかったたまたま良い回、悪い回で決めてしまう3回ずつ出力させ、4項目の記録を並べる
長くて整って見えるほうを選んだ120字以内などの指示を破った答えを選ぶ文字数と、変えてはいけない語を先に確かめる
無料版と有料版を比べたプランの差とサービスの差が混ざる同じプランの段階どうしで比べる
業務の材料で比べた会社が認めていないサービスに社内情報が入る私用の作業か、架空の材料で比べる

使う前に、学習とデータの設定を確かめる

使うサービスを決めたら、入力した内容がAIの改善に使われるかどうかの設定を一度開いて見ておきます。個人のアカウントと、会社や学校のアカウントでは扱いが違います。

OpenAIのヘルプによると、ChatGPTでは設定の「データコントロール」にある「すべての人のためにモデルを改善する」をオフにすれば、新しい会話はモデルの学習に使われません。BusinessやEnterpriseなどのワークスペースの内容は、既定で学習に使わない扱いです。Claudeの個人向けプランでは、設定の「プライバシー」にある「AIモデルの改善を支援する」で切り替えると、Anthropicのプライバシーセンターが説明しています。

Geminiについて、Googleのプライバシーハブは、人間のレビュアーが収集したデータの一部をレビューすることがあるとし、見られたくない機密情報は入力しないよう求めています。今後のチャットをレビューやサービスの改良に使わせない方法として案内されているのは、[アクティビティの保存]をオフにすることです。ただしオフの場合でも、応答や安全のための利用は続き、そこには人間のレビュアーによるレビューも含まれると書かれています。さらに、Google Workspace などとの連携は、この設定がオフの状態では使えません。Gmailやドライブの材料とつなげたい人は、どちらを優先するかを先に決めておく必要があります。

どの設定を選んでも、業務の資料を個人のアカウントに入れてよいかは、別の問題として残ります。入れてよい情報の見分け方は、架空の社内資料で練習する関連記事にまとめました。

参考リンク

契約を増やす前に知っておきたいこと

練習の作業メモでは、業務の3件が1つ目の問いだけで同じサービスに決まり、比べる必要があったのは私用の1件だけでした。自分の作業を同じように書き出すと、使うサービスは1つか2つで足りる人が多いはずです。複数の有料プランを同時に契約する前に、無料の範囲で自分の作業を2週間ほど記録し、どの作業で何が足りなかったかを確かめてください。

この記事の表は、確認した日の公式ヘルプに基づいています。機能の名前、使えるプラン、管理者の設定の場所は変わることがあります。比較記事に書かれた「得意分野」も、その記事を書いた時点の評価です。数か月たったら、自分の記録表で同じ比べ方をやり直すほうが、他人の評価を読み直すより確かな答えが出ます。

どのサービスを選んでも、答えの誤りはなくなりません。ウェブ検索を使った回答でも、OpenAIのヘルプが書いているとおり、引用元が回答を裏付けているかは自分で開いて確かめる必要があります。

確認リスト

  • 業務の作業と私用の作業を分けて書き出したか
  • 職場や学校で使ってよいサービスとアカウントを確かめたか
  • 材料がGoogleとMicrosoftのどちらのサービスにあるかを書いたか
  • 最新の情報や出典が要る作業に印を付けたか
  • 写真やイラストが要る作業は、画像を作れるサービスを選んだか
  • 2つで迷った作業は、同じ依頼文と材料で3回ずつ比べたか
  • 無料版と有料版を混ぜて比べていないか
  • 学習とデータの設定画面を一度開いて確かめたか

独学で決められる人、スクールで相談すると進みやすい人

4つの問いで自分の作業を仕分けられ、迷った作業を記録表で比べて決められた人は、独学で十分です。追加の費用もかかりません。決めたサービスで、最初に任せる作業を1つ選ぶところから始めてください。

スクールを検討してよいのは、記録表に書いた結果を見ても、どこを直せば自分の手間が減るのか分からないときです。依頼文の書き方なのか、渡す材料なのか、サービスの選び方なのかを切り分けられないまま契約を増やすと、費用だけが増えます。講座によって使うAIサービスが決まっていることもあります。職場で使えるサービスと違う場合に課題をどう進めるかも、申し込む前に確かめておく必要があります。

説明会や無料相談では、「講座で使うAIサービスとプランはどれか」「職場で指定されたサービスで課題を進めてよいか」「自分の作業の依頼文を添削してもらえるか」を聞いてみてください。

参考リンク

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