MAKE IT YOURS · AIへの指示を使い回す

読んで、試して、
自分の学びを選ぼう。

  1. 01指示を5つの欄に分ける
  2. 02出力を材料と照合する
  3. 031か所ずつ直して記録する

つくりてラボ作成の練習例・記入用シート付き

自分の条件を書き出す

登録不要の記入用CSV。Excelなどで開いて使えます。

確認シートを保存 ↓

毎回書き直してしまうのは、条件が会話の中に散らばっているから

週報、問い合わせへの返信、会議メモの整理。同じ種類の作業なのに、AIに頼むたびに指示を一から打ち直している人は少なくありません。前回うまくいった言い回しを思い出せず、今回は出力の形が違う。直すうちに、手で書いたほうが早かったと感じて、使うのをやめてしまう。そんな経験はないでしょうか。

この記事は、そうした段階にいる人に向けて書きました。読み終えたときに、自分の作業の中で「毎回変わる部分」と「毎回同じでよい部分」を分け、同じでよい部分を型として保存できる状態を目指します。さらに、出力が期待と違ったときに、型のどこを直せばよいかを判断できるようにします。

題材は、つくりてラボが作った架空の週報メモと、架空の問い合わせです。実在の会社や人物とは関係ありません。記事中のAIの出力はすべて「例」として当サイトが書いたもので、特定のサービスで実行した結果ではありません。

練習の材料:架空のオンラインショップ担当者の週報メモ

下のメモは、小さな雑貨店のオンラインショップを運営している担当者が、金曜の夕方に書き留めたという設定の架空の例です。完了した作業と未了の作業、原因の分からない問題、確認待ちの予定が混ざっています。

週報づくりでAIが間違えやすいのは、こうした「まだ決まっていないこと」の扱いです。未了の作業が完了扱いになったり、原因が推測で埋められたりします。メモを手元に置いたまま、次の節の指示と比べてください。

【つくりてラボが作った架空の例:週報の材料メモ】
・商品ページを3件更新した。うち1件は写真の差し替えがまだ。
・配送日についての問い合わせが4件。1件は住所の不備で、再送の相談中。
・来週:秋の特集ページの構成案を木曜までに出す。店長の確認待ち。
・在庫表と商品ページの在庫数が合わない日が2回あった。原因はまだ分からない。

書き捨ての指示と、その出力例

急いでいるときに書きがちな指示が下の一文です。これでも文章は返ってきますが、誰が読む週報なのか、未了の項目をどう書くのか、AIには分かりません。

当サイトが想定した出力例では、「商品ページを3件更新しました」と書かれ、写真の差し替えが残っている1件が消えています。在庫数のずれには「システムの不具合が原因と考えられます」という、メモにない原因が足されました。冒頭には挨拶が入り、来週の構成案も確認待ちの注記が落ちて「木曜に提出します」と言い切っています。

どれも文章としては自然なので、読み流すと気づきません。次の週に同じ一文で頼めば、今度は別の箇所が抜けることもあります。指示に条件が書かれていない以上、何が守られるかは回ごとに変わります。

このメモで週報を書いて。いい感じにまとめて。

(ここに上の架空メモを貼る)

指示を5つの欄に分ける:目的・材料・形式・禁止事項・確認方法

型をつくるときは、指示を次の5つの欄に分けて書きます。欄の名前は当サイトが練習用に決めたもので、どのサービスでも同じ名前を使う必要はありません。分けておくと、出力がずれたときに「どの欄が足りなかったか」を探せるようになります。

表の右端の列を見てください。週報の場合、毎週入れ替えるのは材料だけです。目的・形式・禁止事項・確認方法は、読み手や社内の決まりが変わらない限り、同じ文面を使い回せます。毎回書き直していた部分の多くは、実はこの4つの欄でした。

指示を5つの欄に分ける:目的・材料・形式・禁止事項・確認方法
書くこと週報での例毎回入れ替えるか
目的誰が、いつ、何のために読むか店長が月曜の朝会前に読み、確認が必要な点を拾う入れ替えない
材料使ってよい情報と、その範囲今週のメモだけ。メモにない事実は足さない毎回入れ替える
形式見出し・長さ・並べ方4つの見出し、各項目1行入れ替えない
禁止事項書いてほしくないことメモにない完了報告・原因・日付、前置きの挨拶入れ替えない(誤りが出たら足す)
確認方法出力のあとに人が照合する箇所数字・日付・未完了の項目を一覧で出させる入れ替えない

型にする作業を、自分が送った過去の依頼から選ぶ

型をつくる前に、どの作業を型にするかを決めます。手がかりは、自分がAIに送った過去の依頼です。ここ2週間ほどの会話を見返し、同じ読み手に向けて同じ種類の文書を頼んだものを探してください。週報、定型の返信、議事録の整理のように、材料だけが変わって求める形は毎回同じ作業が候補になります。

候補が見つかったら、その回の依頼文と、あとから付け足した注文を並べます。毎回書いていた文は目的・形式・禁止事項の欄へ、その回だけの文は材料の欄へ移してください。出力を見てから「もっと短く」「挨拶はいらない」と付け足していたなら、それは最初の指示に足りなかった条件です。下の表は、架空の週報の依頼を仕分けた例です。

型にする作業を、自分が送った過去の依頼から選ぶ
過去の依頼に書いた文(架空の例)書いた場面移す欄
店長向けの週報にして毎回、最初の指示に書いた目的
今週のメモ本文その回だけ材料
箇条書きで、短く出力を見てから毎回付け足した形式
挨拶はいらない出力を見てから毎回付け足した禁止事項
終わっていないものは分けて誤りに気づいた回から付け足した形式と禁止事項

週報の型:材料の欄だけを差し替えて使う

5つの欄を埋めた週報の型が下の例です。後の節で記録する2回の直しを反映した版にしてあります。【材料】の下にその週のメモを貼れば、残りはそのまま送れます。

禁止事項には、前の節の出力例で起きた誤りをそのまま書き込みました。未了の作業を完了扱いにしたことと、メモにない原因を足したことの2つです。抽象的な注意より、実際に起きた誤りの形で書いたほうが、あとで読み返したときに理由を思い出せます。

確認方法の欄では、AIに照合用の一覧を出させています。これはAIに正しさを保証させる指示ではありません。人がメモと見比べる箇所を、読み落とさない形で並べてもらうための指示です。照合そのものは、出力を使う人が行います。

【目的】
店長が月曜の朝会の前に読み、確認や判断が必要な点を拾える週報を作ってください。

【材料】
以下のメモに書かれた事実だけを使ってください。
(ここに今週のメモを貼る)

【形式】
「今週やったこと」「未完了・確認待ち」「来週の予定」「相談したいこと」の4つの見出しで書く。
各項目は1行。件数や日付はメモの表記のまま使う。

【禁止事項】
・完了していない作業を完了と書かない。
・メモに原因が書かれていない問題は、原因を推測せず「原因は未確認」と書く。
・確認待ちの予定を、確定した予定として書かない。
・挨拶や前置きを付けない。

【確認方法】
週報のあとに「材料と照合してほしい箇所」として、件数・日付・未完了の項目を箇条書きで出してください。

出力例を比べる:どこが材料と一致しているか

下の表は、書き捨ての指示と型を使った指示の出力例を、材料メモと並べたものです。どちらの出力例も当サイトが想定して書いたもので、実際の実行結果ではありません。自分で試すときは、表の右端の列(材料メモでの事実)を正解として、自分のAIの出力を照らし合わせてください。

型を使っても、毎回この表のとおりになるとは限りません。サービスやモデル、同じサービスでも回によって出力は変わります。型が決めるのは「何を守ってほしいか」と「どこを確かめるか」までで、確かめる作業は残ります。

出力例を比べる:どこが材料と一致しているか
確認する項目書き捨ての指示の出力例型を使った出力例材料メモでの事実
商品ページの更新3件を更新しました(未了の1件が消えている)3件更新。うち1件は写真の差し替えが未完了3件更新、1件は写真が未了
在庫数のずれシステムの不具合が原因と考えられます在庫数のずれが2回。原因は未確認2回、原因は分からない
特集ページの構成案木曜に提出します木曜までに提出予定(店長の確認待ち)木曜まで、店長の確認待ち
冒頭の文今週もお疲れさまでした、から始まる見出しから始まる挨拶は不要

同じ5欄で、問い合わせへの返信の下書きをつくる

型の欄は、別の業務にもそのまま使えます。次は、同じ架空のショップに届いた問い合わせへの返信の下書きです。材料は、お客様の文面と、担当者が社内で確認済みの事実だけにします。

週報と違うのは、禁止事項の重みです。返信は社外の人が読むため、確認していない到着日を約束したり、決まっていない返金に触れたりすると、あとで取り消すのが難しくなります。そこで禁止事項に「約束しない」ことを具体的に並べ、確認方法の欄で送信前に担当者が確かめる事実を一覧にさせます。

AIが作るのは下書きまでで、送信するかどうかは担当者が決めます。お客様の名前や住所などの個人情報を、どのサービスにどこまで入力してよいかは、勤務先の決まりに従ってください。下の例では、個人を特定する情報を入れずに試せるようにしてあります。

【つくりてラボが作った架空の例:問い合わせ】
「先週注文した商品がまだ届きません。来週の誕生日に間に合いますか。」
【社内で確認済みの事実】発送は明日の予定。配送にかかる日数は地域によって異なる。

【目的】
担当者が確認してから送る、問い合わせへの返信の下書きを作ってください。

【材料】
上の問い合わせ文と、社内で確認済みの事実だけを使ってください。

【形式】
件名と本文。本文は「お詫び」「現在の状況」「次にご連絡すること」の順に、全体で短めに書く。

【禁止事項】
・到着日や「間に合います」を約束しない。
・返金・値引き・補償に触れない。
・確認済みの事実にない発送状況を書かない。

【確認方法】
下書きのあとに「送信前に担当者が確かめる事実」を箇条書きで出してください。

型を直すときは、1回に1つの欄だけ変えて記録する

型を使い始めると、出力の小さなずれに気づくたびに、指示をあちこち書き足したくなります。ただ、目的と禁止事項と形式を同時に変えると、どの変更で出力が変わったのか分かりません。直すのは1回に1つの欄だけにして、変えた理由と結果を書き残します。

記録には、この記事の記入用CSVを使えます。下の表は、週報の型を2回直したときの記入例です。これもつくりてラボが作った架空の記録です。版の番号を付けておくと、直したあとに出力が悪くなったとき、前の版に戻せます。

照合の結果の列には、直ったことだけでなく、直らなかったことも書きます。2行目のように、形式の欄を直したら禁止事項に書いたはずの推測がまた出た、という記録が残っていれば、次に何を試すかを決めやすくなります。

型を直すときは、1回に1つの欄だけ変えて記録する
直した欄変えた理由(出力で起きたこと)照合の結果
1→2禁止事項在庫数のずれに、メモにない原因が書かれた原因の推測は消えた。確認待ちの注記はまだ落ちる
2→3形式確認待ちの予定が確定扱いになった「未完了・確認待ち」の見出しに入るようになった。別の週のメモで推測が1件出た

保存する場所:全部の会話に効く設定と、業務ごとの型を分ける

型を置く場所は、テキストファイルやメモアプリでも構いません。サービスの保存機能を使う場合は、その設定がどの範囲の会話に適用されるかを先に確かめます。以下の内容は、2026年9月24日に各サービスの公式ヘルプで確認しました。

OpenAIのヘルプによると、ChatGPTのカスタム指示はすべてのチャットにすぐ適用されます。週報専用の条件をここへ入れれば、問い合わせ返信を頼んだ会話にも同じ条件がかかるということです。カスタム指示に向くのは、前置きを省く、分からないことは分からないと書く、といった全業務に共通する好みです。業務ごとの型を別の場所に保存しておけば、条件が混ざる心配もありません。なお、保存できる文字数には上限があり、プランによって上限が違うと同じヘルプに載っています。

GoogleのGeminiアプリでは、Gemに名前とカスタム指示を入力して保存し、あとから編集もできます。週報用のGem、返信用のGemと、業務ごとに分けて持つ使い方に向いた機能です。生成された内容は使う前に自分で検証するように、という注意書きも同じヘルプにあります。

AnthropicのClaudeでは、プロジェクトごとにプロジェクト指示を設定できると公式ヘルプに書かれています。ただしこのヘルプページには、プロジェクトの新しい版を段階的に提供しているという注記もありました。画面や機能の名前は変わることがあるため、使う前に最新のヘルプを確認してください。

どのサービスに保存する場合も、型の中に社外秘の情報や個人情報を書き込まないでください。OpenAIのヘルプは、サードパーティのプラグインを使うと指示の中の情報がプラグインの開発者に渡る場合があると説明しています。勤務先で使ってよいサービスが決まっているなら、そちらが優先です。

型で解決しないこと、型が要らない作業

型は、材料の誤りまでは直せません。メモに書かれた件数が間違っていれば、型どおりの週報にも間違った件数が載ります。照合の相手が材料である以上、材料そのものを確かめる作業は別に必要です。

月に1回あるかどうかの作業や、毎回の目的がまったく違う相談には、型をつくる手間のほうが大きくなります。目安として、同じ読み手に向けた同じ種類の作業を繰り返しているなら型にする、一度きりなら書き捨てでよい、と分けておけば迷いません。

型を使い回していると、出力を読まずに使いたくなります。版を重ねて出力が安定してきても、確認方法の欄で並べた箇所だけは毎回照らし合わせてください。

  • 毎回入れ替える部分が材料の欄だけになっているか
  • 禁止事項に、実際に起きた誤りの形で書いた項目があるか
  • 確認方法の欄で、人が照合する箇所を出させているか
  • 直すときに、1回に1つの欄だけを変えたか
  • 版の番号と、変えた理由・照合の結果を記録したか
  • 全部の会話に効く設定に、業務専用の条件を入れていないか

独学で進めるか、スクールで添削を受けるか

この記事の手順で、2つか3つの業務の型をつくり、出力を材料と照合して直せているなら、しばらくは独学で続けて構いません。記録シートに版が増えていけば、それ自体が上達の記録になります。

反対に、照合しても誤りに気づけない、どの欄を直せばよいか見当がつかない、という状態が続くなら、指示と出力を人に見てもらう機会があると先へ進みやすくなります。スクールの説明会や無料相談では、自分の業務に近い題材で指示を添削してもらえるか、出力の確かめ方まで課題に含まれているかを聞いてみてください。記録シートを見せながら質問すると、相手にもどこで止まっているかが伝わります。

会議メモを題材に、依頼と答え合わせをさらに練習したい人は、関連記事の演習も使えます。講座の比較は、AI分野のページから目的別に選べます。

つくれる作品を、見てみよう。

思い描いた世界が、伝わる一枚に。

卒業後のイメージへ ↗

やりたいことから、最初の講座を決めよう。

掲載している6講座を、学ぶ目的で分けました。どれにも当てはまらなければ、無料の入口で話を聞いてから決めても遅くありません。

目的からAIの講座を選ぶ →

一般的な選び方をまとめた編集ガイドです。個別スクールの受講体験や成果を示すものではありません。料金・制度の確認日は各詳細ページに掲載しています。