MAKE IT YOURS · 動画編集の活用事例
読んで、試して、
自分の学びを選ぼう。
- 01見る相手と場所を決める
- 02月ごとに素材を1つ選ぶ
- 03声を残して1分にまとめる
つくりてラボ作成の練習例・記入用シート付き
登録不要の記入用CSV。Excelなどで開いて使えます。
この記事で決められること
スマホに1年分の写真と動画がたまっていて、それを1本の成長動画にまとめたい親に向けた記事です。撮り方のコツを紹介する記事は多く見つかります。ここで扱うのは、撮り終えた素材から何を選び、どう並べ、誰にどの範囲で見せるかのほうです。
読み終えたときに、見る相手と長さ、月ごとに使う素材、音楽の選び方、公開するかどうかが決まっている状態を目指します。音楽と公開範囲については、文化庁、日本音楽著作権協会(JASRAC)、総務省の公式ページで確かめたことだけを書きました。
文中の子ども、素材、秒数は、つくりてラボが作った架空の例です。実在の家族や受講生の作品ではありません。
先に決める:誰が、どこで見るか
同じ素材でも、家のテレビで家族が見るのか、スマホで祖父母に送るのか、動画サイトに上げるのかで、画面の向き、長さ、使える音楽が変わります。編集を始める前に、見る相手と場所を1つに決めてください。
迷ったときの順番は、家族だけで見る1本が先。公開する版は、そこから音楽と映っている人を見直せば作れます。逆の順番だと、公開用に削った素材を家族用に戻す手間がかかるからです。
| 見る相手と場所 | 画面の向き | 先に確かめること |
|---|---|---|
| 家族が家のテレビで見る | 横長 | 縦で撮った動画をどう置くか(後の節で扱う) |
| 離れて暮らす祖父母に送る | 受け取る人が見る機器に合わせる | スマホで見るかテレビで見るか。送る方法にファイルの大きさの上限があるか |
| 園や学校の行事で流す | 主催者の指定に合わせる | 音楽と、ほかの子どもが映る映像についての主催者の決まり |
| 動画サイトやSNSで公開する | サービスの形式に合わせる | 音楽の条件、背景から場所が分からないか、公開範囲 |
1年分の素材を、月ごとに1つずつ選ぶ
スマホのアルバムを最初から見ていくと、同じような写真が続いて選びきれなくなります。先に月ごとの枠を作り、各月から1つだけ選ぶと、1年の流れが偏らずに並びます。
選ぶ基準は3つに絞ります。その月にできるようになったこと、子どもの声が入っていること、季節が分かることです。3つのどれにも当てはまらない素材は、かわいくても外します。下の表は、1分の動画にまとめると決めた架空の例です。
【1分の配分(つくりてラボが作った架空の例)】
タイトル(名前と年):5秒
12か月分の素材:合計50秒(表にない月も同じ基準で選ぶ)
最後の一言(「1さいおめでとう」など):5秒
| 月(架空) | 選んだ素材 | 使う秒数 | 選んだ理由 |
|---|---|---|---|
| 4月 | 動画:公園で桜の花びらを追いかける | 5 | 季節が分かる |
| 6月 | 動画:初めて「ママ」と言った | 5 | 声が入っている |
| 8月 | 写真:ビニールプールで水をかける | 3 | 季節が分かる |
| 10月 | 動画:つかまらずに3歩歩いた | 6 | できるようになったこと |
| 12月 | 動画:ケーキのろうそくを吹く | 5 | 声が入っている |
| 翌年2月 | 動画:靴を自分で履こうとする | 5 | できるようになったこと |
動画は、声が入っているところを残して切る
成長動画の素材は、写真より動画のほうが多くなりがちです。1本の動画から数秒を切り出すときは、動きの始まる少し前から、子どもの声や周りの笑い声が終わるところまでを残します。歩いた瞬間だけを切り取ると、見る人は何が起きたのかを理解する前に次の場面へ進んでしまいます。
曲を敷くなら、子どもの声が入る場面だけ曲の音量を下げます。声が曲に埋もれると、動画で残した意味が薄れるからです。編集ソフトでは、音量を場面ごとに上げ下げする機能を使います。
【切り出しの練習(つくりてラボが作った架空の例)】
素材:10月、つかまらずに3歩歩いた動画(全体40秒)
1. 最初に通して見て、1歩目が出る位置を探す
2. 1歩目の2秒前から切り始める
3. 3歩目のあと、家族の拍手と声が消えるところで切る(合計6秒ほど)
4. この6秒だけ、曲の音量を下げて声を聞こえるようにする
縦の動画と横の動画が混ざったら
スマホで撮った素材は、縦と横が混ざっていることがほとんどです。家のテレビで見る横長の1本に縦の動画を入れる方法は、主に3つあります。どれを選んでも失うものがあるので、素材に合わせて選んでください。
| 置き方 | 向く素材 | 失うもの |
|---|---|---|
| 縦の動画をそのまま中央に置き、左右を単色やぼかした同じ映像で埋める | 子どもの全身が縦に収まっている素材 | 画面の左右が空く |
| 横長の画面いっぱいまで拡大し、上下を切る | 顔や手元など、中央に大事なものがある素材 | 頭や足が切れることがある。拡大した分だけ画質が粗くなる |
| 全体を縦の動画として作る | 祖父母がスマホで見る場合 | テレビで見ると左右が大きく空く |
音楽は、見る範囲で考え方が変わる
家族だけで見る動画については、文化庁の著作権テキスト(令和8年度版)が「私的使用のための複製」の条件を示しています。個人的に、または家庭内など限られた範囲内で使うことが目的であること、仕事での利用は対象外であること、使う本人が複製すること、などです。祖父母に送る、行事で流すといった使い方がこの範囲に入るかどうかを、この記事では判断しません。迷ったら、JASRACなど権利者側の窓口に聞いてください。
動画サイトに上げる場合について、JASRACは、契約している動画投稿サービスなら一定の範囲内で管理楽曲を含む動画を手続きなしで投稿できると案内しています。ただし同じページによれば、市販のCDやダウンロードした音源を使う場合は、著作権とは別に、音源を作ったレコード会社などの許諾が要るとのことです。
編集アプリに入っている音楽を使う方法もあります。その場合は、アプリの利用規約で、作った動画を家族に送ることや動画サイトに上げることが認められているかを確かめてください。
公開する前に:映り込みと公開範囲
総務省のインターネットトラブル事例集には、位置情報を切って撮った写真でも、背景から場所が分かり生活範囲を特定された例が載っています。電柱や看板の文字、建物、地域の行事など、写り込んだものから推測されるという説明です。同じページは、公開範囲を絞り、投稿前によく見直すよう勧めています。
成長動画の素材は、ほとんどが自宅、近所の公園、通っている園など、生活の場所で撮ったものです。家族だけで見る1本をそのまま公開せず、下の表で1場面ずつ確かめてください。総務省のページは、非公開の設定にして特定の人とだけ共有する方法も挙げています。目的が祖父母に見せることだけなら、公開する必要はありません。
ほかの子どもや保護者が映っている場面にも注意が要ります。文化庁のテキストは、肖像権を、自分の肖像をみだりに公開されない権利として説明しています。法律で定めたものではなく判例で確立された権利ですが、公開する前に映っている人の了解を取るか、その場面を外すのが確実です。
| 確かめること | 見つかったときの直し方 |
|---|---|
| 家の外観、表札、住所の分かる郵便物 | その場面を外す |
| 園や学校の名前、制服、名札 | その場面を外すか、名前の部分を隠す |
| 電柱や看板の地名、近所の目立つ建物 | その場面を外すか、切り抜いて写らないようにする |
| ほかの子どもや保護者の顔 | 了解を取る。取れなければ外す |
| 撮った場所がすぐ分かる字幕(「〇〇公園にて」など) | 場所の名前を書かない |
最初の1本を作る順番
初めて編集するなら、1年分を一度に作ろうとせず、表の最初の3か月分、15秒ほどを先に仕上げます。15秒の中に、切り出し、字幕、音量の上げ下げ、書き出しがすべて入るので、1本を通して作る練習になります。
カッコ内は、動画編集の活用事例の記事で使った6つの編集技能の名前です。つまずいた作業の名前が分かれば、調べるときの言葉が決まります。
【最初の15秒の作業順(つくりてラボが作った架空の例)】
1. 見る場所に合わせて、画面の向きを決める
2. 4月から6月の素材を3つ並べ、声が入るところを残して切る(カット)
3. 各場面に月と年齢を入れる。位置はすべてそろえる(テロップ)
4. 曲を敷き、声の入る場面だけ曲を小さくする(BGMと音量)
5. 室内の暗い動画を、ほかの場面の明るさに近づける(色)
6. 見る機器に合う形式で書き出し、実際にその機器で見る(書き出し)
独学で足りる場合と、学び方を考える場合
家族で見る年に1本の成長動画なら、スマホの編集アプリとこの記事の手順で作れます。テンプレートに写真を当てはめて自動で作るアプリもあり、急ぐならそれで十分な場合もあります。
講座を考えるのは、毎年作るうちに構成や字幕を人に見てほしくなったときや、家族以外の動画も作りたくなったときです。講座ごとの支援の中身と料金は、動画編集の講座を目的から選ぶページと、各講座のページで比べられます。結婚式の生い立ちムービーを作る場合の手順は、別の記事にまとめました。
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